第14回 起業開業その11 開業資金の調達

◇開業資金の調達

開業資金は、自分の資金だけで賄うか、他人から資金を調達
するか、あるいは両方を組み合せて用意するかです。

『自分の資金』
貴方の手許にある資金、例えば開業しようと思ってコツコツ
積み立てた預貯金で開業資金が賄えれば、他から資金を調達
する必要はありません。

自分で貯めた資金は、
・誰に気兼ねなく自由に使う事ができます。
・返済しなくてよい無期限の資金です。
・失って傷つくのは自分だけで、傷が深手になりません。

自分の資金だけなら短期間に大儲けしようとして無理する必
要はありませんので、市場に浸透するまでじっくり投資するこ
とも出来ます。
但し、自分の資金が少ないと小規模にしかスタートできませ
んので、市場で成功するまで時間がかかる事もあります。

成功による利益も失敗による損失もすべて自分の責に帰する
のが自己資金100%の場合です。ある意味、気は楽です。


『他人の資金』
自己資金だけでは不足する場合には、他人から資金を調達し
なければなりません。
資金調達には、1.出資と2.借入の二つのケースがあります。

1.出資
資本あるいは出資として拠出してもらった資金は、返済する
ことは求められませんが、投資金額に見合う利益のリターン
を出す事が要求されます。

出資のリターンとして利益分配が求められる以上は、
・利益が最大になるように投資する必要があります。
・元本の返済ではなく、運用して儲けた利益を分配します。
・投資に失敗しても、元本返済の必要はありません。

返済しないという性格上、短期ではなく長期での儲けを重視
した投資にも使えます。
長期投資の途中であっても、会社の状況、経営成績、株など
の所有権の異動状況について、出資者に報告する必要があり
ますので、経営情報を定期的に公開して明らかにします。
利益を上げることが、経営者の責任になります。

なお、他人の出資が全体の過半数を超えると、出資者に経営
支配権が移ってしまい影響が大きいので、経営権を確保でき
る範囲で出資を募りましょう。

2.借入
借入は、出資と異なり元本返済と利息の支払いが必要ですの
で、月々の返済額だけ手許資金が減少します。
返済額に見合う利益の獲得がないと、資金繰りが苦しくなり
ます。

問題はどこから借入するかです。

・友人(親戚)
貴方を信用して資金を出しますので、もし投資に失敗して借
入返済ができないと、親しい友人(親戚)との間にデリケート
な問題が生じることになります。
また、お金を出すと経営に口を挟み、何かと発言してくる事
が多い点にも注意が必要です。

・金融機関
日本政策金融公庫(いわゆる国金)などの政府系金融機関と、
銀行や信用組合・信用金庫などの民間金融機関に大別されま
す。どこの金融機関でも、確実に返済してくれる見込みがな
いと融資は受けられません。
融資審査にあたり借入金の使途、事業計画、資金計画などを
用意して、返済能力があることを説明します。
通常、開業資金の100%を借入することは出来ませんので、自
己資金をせめて50%は用意した上で、融資の申し込みをすべ
きです。

・取引先
取引先からの資金支援は、仕事上の取引継続が前提でしょう
から、ある意味、その取引先とは切っても切れない関係になる
ことを覚悟の上で、融資を受けて下さい。
またどちらかが倒産すると、第三者が介入してくるリスクが生じ
ることにも注意が必要です。


開業資金の調達に苦労するのは、独立しようとする者にはよく
ある事です。
いくらの資金を投入するかは、その事業からいくら稼げるか
のリターン率の問題です。
開業資金のすべてを借入に頼った結果、利息の支払いが重荷
になるケースもあります。

自分の資金だけでは足りないようなら、まずは出資を募りま
しょう。さらに不足しているようなら借入を検討します。
出資にしろ借入にしろ、他人から資金を出してもらいたいな
ら、事業目論見書、事業計画、投資計画、資金計画を立てて、
具体的に説明できるようすることが必要です。


Posted by 門倉和博 at 2010.02.21



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